反応を促進する触媒(しょくばい)になりたい
時々、お仕事先で
「前はどんなお仕事をされていたのですか?」と聞かれることがあります。
私の仕事は、元「化学屋さん」です。
化学屋さんというのは、白衣に手袋とゴーグルをつけ、
色のついた溶液が入ったビーカーやフラスコを手に持ち、
実験をしていたとでもお伝えすると分かりやすいでしょうか。
理工学系の大学院で物質化学を専攻しその後、
某メーカーの研究所で材料科学系の技術者として
「モノの開発」に10年以上携わっていました。
という話をすると
「リケジョなんですね」とか
「理系から文系のお仕事になぜ変わったのですか?」
と聞かれることが良くあります。
今の仕事はコーチングの「コーチ」です。
コーチとは、その人(クライアント)が本来持っている力を発揮できるように、
コーチングという関係性や対話プロセスを経て
「人の成長を開発」する仕事です。
つまり私の仕事は、
「モノの開発」から「人の成長を開発」する仕事に変化したのですが、
そもそも、対話で人の成長サポートに携わることに
(いわゆる日本でいう受験科目としての)「文系」とか「理系」とかの区分は
無いですよね、と思っています。
コーチの役目は、
クライアント自身が必要な答えや方策を自分の中から出せる
という信念(コーチのあり方)をもとに、
双方向コミュニケーションで関わっていく
目標達成や課題解決のためのサポート役です。
コーチは、クライアントに答えを与えたり教えたりする立場ではなく、
あくまでも伴走者です。(主役はあなた)
普段のお仕事では、1on1のコーチングセッションの他に、
「あなたを受けとる。わたしを伝える。
コミュニケーションはデザインできる。」
というコンセプトのもとに
コーチングのあり方や自己基盤づくりをベースとした
相手に信頼と安心をとどけるコミュニケーションや、
スタッフ育成や部下指導の関係づくりの研修や
チームコーチングを通して
チーム(組織)と個の調和、風土づくりのお手伝いをしています。
私は今のコーチという仕事やコーチングが大好きです。
特にクライアント(受講者の方)が自らの中から答え自分で導き出した瞬間、
その人の表情や声のトーンが明るくなる瞬間が嬉しくて、
その瞬間がたまらなく好きだと思うのです。
それはまるで化学実験で化学反応が促進されるとき、
透明なガラスからできているフラスコの丸い底を片手で
自分の額の近くまで持ち上げて、
下から透明なガラスの底を見上げたときに見える、
キラキラ光る小さな結晶の生成物を見上げた時のような
気持ちに似ているのです。
かなりマニアックな表現でごめんなさい。
でも化学反応の生成物(結晶)ができる瞬間って本当にワクワクするんですよ!
ここでちょっとだけ「触媒」という化学用語に触れさせてくださいね。
触媒とは、物質Aを例えば化学反応させてBを作るときに、
触媒そのもの自身は変化せずに、化学反応(例:A⇒Bへの反応)を
促進させる働きをもつ物質です。
コーチングというプロセスや関係性において、
コーチはクライアントに教える立場ではありません。
主役はクライアント自身であり、
コーチはあくまでもクライアントの伴走者なのです。
そしてその根底には、コーチ自身が、
答えはクライアントの中にある、
教えるのではなく対話でその人から引き出し気づきを与え、
その人の主体的な取り組みをサポートするというあり方を基盤としています。
私にとって、コーチングのコーチという生き方は、
触媒のような存在になることだと思っています。
クライアントの中で化学反応を促進するような存在になりたい✨
そして、可能性の花を咲かせた人から更に周りの人へ、
笑顔と勇気の化学反応が起こる世界を創る。
そんな未来を思い描いて日々活動をしています。
リニューアルしてこちらのサイトでは、
コーチングのことだけでなく、人間関係とコミュニケーション、
自己実現のためのやり抜く力、習慣化のコツなどコーチとして個人セッションで1000時間以上クライアントさんの自己実現に
携わってきた経験も踏まえて、情報発信していきますね。
コーチ 浅見葉子
国際コーチング連盟米国本部・日本支部所属(ACC)